2015年

古典の日フォーラム2015

琳派400年記念「古典の日フォーラム2015」を開催いたしました!

 爽やかな秋晴れの11月1日(日)、当委員会のメインイベントである「古典の日フォーラム2015」を左京区宝ヶ池の国立京都国際会館にて開催いたしました。今年は「琳派400年」を記念した祝典も兼ねた開催となり、満員のお客様にご来場いただきました。
 第1部のオープニングは茂山逸平さん、茂山七五三さんによる狂言「神鳴」でスタート。琳派を代表する作品「風神雷神図屏風」のイメージにぴったりな演目で、力強さとユーモアを兼ね備えた演目に、会場の皆さんから大きな拍手が送られました。
 その後、琳派400年を記念した式典へと続き、主催者である村田純一会長の挨拶の後、京都府 山下副知事、京都市 門川市長、宇治市 山本市長より、それぞれの立場からの視点で、琳派400年記念祝典へのご祝辞を賜りました。
 続いては、第7回古典の日朗読コンテストの大賞受賞者による朗読です。今年は、琳派に愛された古典作品を募集し、総応募数558作品(【一般部門】223件、 【高校生部門】167件、【中学生部門】168件)の中から、【一般部門】大賞受賞者の岡田八千代さん(大阪府)より、『古今和歌集』「仮名序」末尾を、【中学・高校生部門】大賞受賞者の坂戸咲野さん(京都府立嵯峨野高等学校)より、『伊勢物語』23段「筒井筒」をご披露いただきました。生き生きとした情景を伝える朗読は会場からの感嘆を誘いました。
 第1部の最後は、連続講演「古典と私」。まずは評論家の山田五郎さん。「古典とは大人になって初めて真の良さがわかるものであり、人を成長させてくれるもの、生きていく上での考え方や教養を成長させてくれるものではないかと思います。」と、自身の体験を踏まえながら、改めて「古典」の奥深さについて語られました。
  続いて、彬子女王殿下は『源氏物語』の原文を6年間かけて読破され、「どんなに時間がかかっても原文で読んで、自分の現代語訳を見つけることをお勧めしたい。原文で読むことで、当時の人たちの心情をよりよく理解できるように感じ、「古典」に立ち返ってみることが、日本の心を学ぶことにも繋がっていくのではないかと思っております。」と、原典に立ち返ることの大切さを強調しました。
 第2部のスタートは、女優の藤原紀香さんによる『琳派400年記念「日本の美宣言」』。この『日本の美宣言』は、琳派400年を記念し、改めて日本美術の美と美意識を、次世代へ伝えていくため、琳派400年記念祭委員会が起草したものです。藤原さんは冒頭で、「琳派400年記念祭をきっかけに、今一度、琳派に世界中の注目が集まり、少しでも多くの皆様に、琳派について、今に生きる「日本の美意識」について見つめ直していただければ」と語られ、これからも支援を続けることを宣言しました。
 そして、フォーラムの最後は、琳派400年を記念した『パネルディスカッション「琳派とジャポニスム」』。19世紀におこった「ジャポニスム」という日本美術ブームの中で、「琳派」が、海外にどのような影響を与え、彼らは琳派のどこに魅かれたのかなど、コーディネーターに京都美術工芸大学学長の河野元昭さん、パネリストに大原美術館館長の高階秀爾さん、先ほどの講演に引き続き、彬子女王殿下、山田五郎さんを迎え、お話しいただきました。
 高階さんはフランスを代表する日本美術品コレクターのルイ・ゴンスと尾形光琳の関係を中心に、ジャポニスムの源泉が浮世絵だけでなく琳派にもあること、彬子女王殿下はイギリス人医者であるウィリアム・アンダーソンの『日本美術全書』における琳派の評価を、『標本』でなく『美術』として捉えた点が重要であること、山田さんはクリムトの肖像画に見られる「金の琳派風の模様」など工芸的な表現などについて発表しました。これに基づいて、美術と工芸の関係を話し合い、「琳派は工芸や文学とも結びつき、単なる飾りではない内面性や精神性があり、そういうところは日本美術の大きな特質とも言え、琳派の世界ではそれが大変よく表現されている。」と指摘しました。
 その後、「私の好きな琳派 この一作」というテーマで、高階さんは本阿弥光悦・俵屋宗達の「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」を、女王殿下は鈴木其一の「青桐・紅葉図」を、山田さんは尾形光琳の「燕子花図屏風」を挙げながら、選んだ理由をお話し下さいました。
 フィナーレとともに会場は大きな拍手に包まれ、盛況のうちに閉会いたしました。
 今年もたくさんのご応募をいただき、感謝申し上げますとともに、残念ながら選に漏れた多くの皆さまに深くお詫び申し上げます。また、当日は満席の状態となり、一部のお客様にはご不便をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。今後の運営につきまして諸事改善してまいりたいと存じます。
 2016年で「古典の日」が法制化されて5年目を迎えます。今後も京都を発信源として、全国へ「古典の日」を推進してまいりますので、引き続き、古典の日推進委員会をご支援くださいますよう、お願い申し上げます。

琳派400年記念「古典の日フォーラム2015」会場風景

※画像をクリックすると大きい画像が表示されます。

当日プログラム

総合司会:井上 あさひ (NHK京都放送局)

【第1部】

狂言「神鳴」 茂山逸平さん、茂山七五三さん(能楽師大蔵流狂言方)
挨拶 古典の日推進委員会会長 村田 純一 
第7回古典の日朗読コンテスト大賞受賞者による朗読
連続講演「古典と私」
Ⅰ「冷酒と古典は後で効く」山田五郎さん(評論家)
Ⅱ「海外で学ぶ古典の心」彬子女王殿下

【第2部】

琳派 400年記念「日本の美」宣言  藤原紀香さん(女優、京都国立博物館文化大使)
パネルディスカッション「琳派とジャポニスム」
 パネリスト
  彬子女王殿下
  高階秀爾さん(大原美術館館長)
  山田五郎さん(評論家)
 コーディネイター
  河野元昭さん(京都美術工芸大学学長)

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