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古典の日フォーラム2013

「古典の日フォーラム2013」を開催いたしました!

  秋晴れの空が広がる11月1日、当委員会のメインイベントである「古典の日フォーラム2013」を開催いたしました。
  第1部の幕開けは、女優・浅野温子さんによる「古典の日」宣言。重厚感のある低音が印象的で、言葉の一つ一つを噛みしめながら、宣言文を読み上げられました。
  その後、式典へと続き、まず、よびかけ人の瀬戸内寂聴さんが、小学校の学芸会での体験を交え、「日本ほど古典文化が豊かな国はない。私たちは、幼いころからたくさんの日本の古典に囲まれ、気づかぬうちにその栄養を吸収し、成長している。この豊かな古典を若い人たちに譲り、知ってもらいたい。そして、生まれ育った日本を誇りに思えるような人になってほしい」と話されました。
  また、ご来賓の青柳正規文化庁長官からは、「今年度から文化庁の予算事業において地方の『古典の日』に関する取り組みに対して財政支援をしている。各地域の古典に親しむ活動を国民的運動としてさらに盛り上げ、今後もさまざまな支援をしていきたい」という力強いお言葉をいただき、併せて「2020年の東京オリンピックにおいては日本中で魅力的な文化イベントを催し、世界に誇る文化力を発信したい」との抱負を語られました。
  第1部の締めくくりは、京都出身のヴァイオリニスト・玉井菜採さんと、京都在住のチェンバリスト・三橋桜子さんによるクラシック演奏。チェンバロの生演奏は初めてという方も多く、コンサートホールならではの心地よい、柔らかで自然な響きに酔いしれました。
  第2部は、浅野温子さんが再登場し、「古事記」をモチーフにしたオリジナル脚本「大国主神 義父が与えた最後の試練」を上演。裸足に白いシャツ、デニム姿でステージ上に現れた浅野さんは、アジアの民族楽器を用いた生演奏に合わせ、台本を片手に縦横無尽にステージを動き回り、一人でさまざまな登場人物を声で演じ分けました。分かりやすい物語と、重厚かつ圧倒的な声量で会場は異空間に包まれ、「古事記」の世界へと誘いました。浅野さんは今後も、「古事記」だけでなく、日本の古典を題材に、このよみ語りをライフワークとして続けていかれるとのことです。
  そして、フォーラムの最後は、作家・浅田次郎さんに「私の中の古典文学」と題してご講演いただきました。浅田さんは、「古典から学ぶべき理由は、時代に淘汰され、何百年と生き残ったものは芸術作品としての値打ちを有するから。問題は、言葉の変化により、特に若い人に専門的知識がないと理解できないと思われてしまうこと。明治以降、古典教育は文法解析的な学び方に変化し、古典を外国語のように遠ざけてしまった。」、そして、自身が幼いころに百人一首をゲーム感覚で親しんだ経験を挙げ、「ただひたすら暗記するというのは、古典を体で覚えているということ。たとえ意味がわからなくても、読んでいて『何かいいなあ』、『うっとりするなあ』、『気持ちいいなあ』と思えるだけでよい。その気持ちは心の底で生き続け、やがて大人になり、折に触れて思い出す。そこでようやく意味を理解すればいい。勉強だとは思わず、娯楽だと思えばよい。最高の娯楽は芸術である」との持論を展開されました。締めくくりに、「歴史に淘汰された古典をしっかりと咀嚼し、次代に日本語として読み継がせ、楽しませていくことを忘れないようにしなければいけない」と呼びかけられ、幕を閉じました。
  今年は、会場を京都コンサートホールに移し、また初めての有料制ということで皆さまにはご負担をおかけすることとなりましたが、1,600名もの方がご来場され、盛況裡に終了いたしました。ご来場いただきました皆さま、まことにありがとうございました。
  また、改めまして、チケット発売におきましては、発売初日より電話がかかりにくい状況が続き、大変なご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。今後の運営につきまして諸事改善してまいりたいと存じますので、今後とも古典の日推進委員会をご支援くださいますよう、お願い申し上げます。

「古典の日フォーラム2013」会場風景

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当日プログラム

総合司会:中川 緑さん(NHK京都放送局)

【第1部】

「古典の日」宣言:浅野温子さん(女優)
挨拶
瀬戸内寂聴さん(よびかけ人)村田純一古典の日推進委員会会長
青柳正規文化庁長官(来賓)
○クラシック演奏「ルクレール:タンバリン 作品9-3-W」
        「バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第4番 ハ短調 BWV1017」
:玉井菜採さん(ヴァイオリニスト)、三橋桜子さん(チェンバリスト)

【第2部】

よみ語り「大国主神 義父が与えた最後の試練」:浅野温子さん(女優)
講演「私の中の古典文学」:浅田次郎さん(作家)